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BeagleBoardへUbuntu12.04とOpenCV2.4のインストール

5/1にUbuntu12.04とOpenCV2.4が立て続けにリリースされたので、BeagleBoardへ入れてみました。

1.Ubuntu12.04について

以下のサイトを参考に、プレインストールイメージからインストールしました。

http://legacyos.homeip.net/beagleboard2/

http://elinux.org/BeagleBoardUbuntu

そのほかの設定もこれまでと同様の手順で、特に問題なくインストール完了しました。

試してはいませんが、12.04ではarmhf(ARM Hardware Float)版となり、浮動小数点演算のパフォーマンスが上がるのではないかと思います。

2.無線LANについて

前の記事①前の記事②では

・無線親機 Buffalo WZR-HP-G300NH

・無線子機 PLANEX GW-USValue-EZ

を使用していました。

その後、無線親機をNEC Aterm WR8750Nに変えたところ、どうやってもGW-USValue-EZから接続できなかったため、無線子機にはBuffalo WLI-U2-KG54を使用していました。

その際、以下のようなエラーが出て、通信も安定しませんが、

phy0 -> rt2500usb_set_device_state: Error - Device failed to enter state 3 (-16).
phy0 -> rt2x00lib_autowakeup: Error - Device failed to wakeup.

以下のコマンドでパワーマネジメントをOFFにすると直りました。(wlan2の番号は環境に合わせる必要があります。)

/sbin/iwconfig wlan2 power off

OS起動時にOFFにするために、/etc/rc.localに以下を追記しています。

(ただし、スクリプトが実行されるタイミングが遅いため少しエラーが出ます。)

/sbin/iwconfig wlan2 power off

GW-USValue-EZが11nに対応し最高150Mbpsの通信速度に対して、WLI-U2-KG54は11gで最高54Mbpsとなりますが、WLI-U2-KG54の方が電波の通りが良いようで、実質はあまり問題はありませんでした。

Ubuntu12.04でも上記と同様にGW-USValue-EZはNGで、WLI-U2-KG54もパワーマネジメントをOFFで通信ができるようになりました。

3.OpenCV2.4について

今回は2.4をインストールしましたが、6/2に既に2.4.1がリリースされています。今後は1~2か月の短いペースでバージョンアップする予定のようです。

ビルドに必要なパッケージのインストールから、ビルドまで以下の通り。

# sudo apt-get install ffmpeg
# sudo apt-get install libgtk2.0-dev
# sudo apt-get install libavcodec-dev
# sudo apt-get install libavformat-dev
# sudo apt-get install libjpeg8-dev
# sudo apt-get install libtiff4-dev
# sudo apt-get install libgif-dev
# sudo apt-get install libv4l-dev
# sudo apt-get install cmake
# mkdir opencv
# mv OpenCV-2.4.0.tar.bz2 opencv
# cd opencv
# tar xjf OpenCV-2.4.0.tar.bz2
# mkdir release
# cd release
# cmake -DBUILD_EXAMPLES=ON -DCMAKE_BUILD_TYPE=RELEASE -DBUILD_PYTHON_SUPPORT=ON ../OpenCV-2.4.0
# make -j 2
# sudo make install
# sudo ldconfig

2.3.1までは、当環境にて使用しているUSBカメラ(LOGICOOL C905m)では以下の対応が必要でした。

MJPEG形式が使用できないので、YUYV形式を使用する

カメラの画像が遅延する

2.4ではC905mでもMJPEGが使用できるようです!!

また、その結果非常にスムーズに表示され、ソースを変更しなくても遅延も少なくなりました。

Ubuntuのバージョンアップではあまり違いを感じられていませんが、USBカメラ(LOGICOOL C905m)が問題なく使えるようになったのが非常にうれしいです。

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Kinectで獅子舞ロボをコントロール

2年前に子供が作った獅子舞ロボをKinectでコントロールできるようにしてみました。

f:id:studio_k:20120506175821j:image:w480

獅子舞ロボはArduinoとサーボ×2でできています。
PCに接続したKinectで関節(Kinectではスケルトンと呼んでいます)を認識して、PCからシリアルで接続したArduinoに前後・左右の角度を送っています。

2自由度ですが、思ったよりも良く動くので、人型ロボットで動かしたくなりました。

自走BeagleBoard(その7:カメラにサーボをつけた)

f:id:studio_k:20120418220323j:image:w480
BeagleBoard台車のカメラが上下するようにサーボをつけてみました。
これで高い位置にある熱帯魚の水槽の様子も確認できます。(笑)

また、子供のラジコンのタイヤをもらったので付けてみました。
少しの段差なら乗り越えられるようになりました。

■自走BeagleBoardシリーズ
自走BeagleBoard (その1)
自走BeagleBoard (その2:ブラウザで操縦)
自走BeagleBoard (その3:OpenCVで顔画像認識)
自走BeagleBoard (その4:OpenCVでボール認識)
自走BeagleBoard (その5:OpenCVで顔画像認識2)
自走BeagleBoard (その6: ~テニスボール追跡~)

自走BeagleBoard (その6: ~テニスボール追跡~)

自走BeagleBoardでテニスボールを追いかけるようにしてみました。

すでに半年以上前になってしまいましたが、前の記事でボールを認識するところまでできていたので、ボールの位置を元に機体の向きを変えて、ボールが正面にある場合は前に進むようにしています。
ボールが近くにある時に自機の陰になって見えなくなってしまうため、カメラの位置を高くして、上から見下ろすようにしてみました。

また、最近購入したAndroidタブレットからでもコントロールできました。
f:id:studio_k:20120226202259j:image:w320

■自走BeagleBoardシリーズ
自走BeagleBoard (その1)
自走BeagleBoard (その2:ブラウザで操縦)
自走BeagleBoard (その3:OpenCVで顔画像認識)
自走BeagleBoard (その4:OpenCVでボール認識)
自走BeagleBoard (その5:OpenCVで顔画像認識2)
自走BeagleBoard (その6: ~テニスボール追跡~)

OpenCV カメラの遅延の対策

うちの環境(BeagleBoard-xM + Ubuntu11.04 + OpenCV2.3.0)だけの問題かも知れませんが、重い画像処理を行うと、カメラの映像がひどく遅延してしまう現象が発生しています。
例えば、BeagleBoardで顔認識を行うと3FPSぐらいになります。3FPSであれば0.3秒程度遅延するのは分かりますが、実際には2~3秒ぐらい遅延してしまいます。3秒も遅延すると画像認識した結果でロボットを制御するのは難しいと思います。
対策として、

frame = cvQueryFrame (capture);

を数回繰り返して取得したイメージを捨てると遅延は少なくなります。しかし、無駄な処理を行っているようで納得できません。(実際、FPSも下がります。)
これで改善されることから、バッファリング関係の処理が影響していることは分かりました。

OpenCVのcvSetCapturePropertyで設定する、CV_CAP_PROP_POS_FRAMESやCV_CAP_PROP_FPSあたりのパラメータで回避できないかいろいろ試してみましたが、うまくいかず。OpenCVのソースを調べてみると、実装されていませんでした。。。
そこで、最後の手段で、OpenCVのソースを変更してみました。(これが正しい対応方法かどうかはわかりませんし、何か副作用がある可能性は高いです。)

OpenCV-2.3.0\modules\highgui\src\cap_libv4l.cpp の

#define MAX_V4L_BUFFERS 10
#define DEFAULT_V4L_BUFFERS 4

のところを

#define MAX_V4L_BUFFERS 1
#define DEFAULT_V4L_BUFFERS 1

のように変更して、OpenCVをコンパイルしなおしました。
この方法で、FPSは下がらずに、遅延もFPS相当程度(3FPSなら0.3秒ぐらい)になりました。
しかし、処理が速い場合にはFPSが上がらなかったりする副作用があるかもしれません。